stressless® Moment(ストレスレス® モーメント)

コラム:ストレスレスな旅「大自然と洗練された都市風景が共存する街、メルボルン」

コラム:ストレスレスな旅「大自然と洗練された都市風景が共存する街、メルボルン」

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家でお気に入りのモノに囲まれ、心地よい空間を作ることは、日常生活においてストレスレスになる近道ですが、
時に非日常な環境でストレスレスになる方法と言えば、断然「旅」でしょう。見知らぬ土地に行き、美しい景色やローカルの食、そこで暮らす人々やカルチャーに触れたり、体験すること―――「旅」は、心地よい解放感と非日常の世界での経験を与えてくれるとともに、新しい自分に気づいたり、何かを生み出したりするきっかけも与えてくれます。ここでは、そんないつか行ってみたい、極上のストレスレスな「旅」や旅を通じてできる「体験」をご紹介します。

Text & Photo: Kazumi Serizawa Edit: F.M.J. magazine

緑が薫る、世界で最も住みやすい都市

「世界で最も住みやすい都市」と聞いて旅するのを楽しみにしていたメルボルン。ビクトリア州の州都で、シドニーに次ぐオーストラリア第2の都市でもあるこの街は、イギリスの雑誌「エコノミスト」による「世界で最も住みやすい都市ランキング」で7年連続1位に選ばれています*。

*英国・エコノミスト誌の調査部門「エコノミスト・インテルジェンス・ユニット(EIU)」発表の「世界で最も住みやすい都市ランキング2017」で7年連続で1位に選出。調査は安全性、医療、文化・環境、教育、インフラの5項目で評価され、メルボルンは100点満点中97.5点を獲得。

 

メルボルンに到着してまず感じたのは、爽やかな空気。別名「ガーデンシティ」と呼ばれるこの街には庭園や公園がたくさんあるうえに並木道も美しく、歩くだけでも緑を感じられます。そんな街中に立つのは、英国統治時代の面影が薫るクラシカルな建物と、スタイリッシュな近代的施設。歴史と最先端の文化が共存しているのも、メルボルンの特徴です。

中心地に堂々と立つのは、ドーム型の屋根が美しいフリンダース・ストリート駅。1854年完成のクラシカルな駅舎が、ひときわ存在感を放っています。一時は老朽化を理由に解体する計画もあったものの、保存を熱望する市民の思いにより、昔の姿をとどめているのだとか。9つのアナログ時計が並ぶエントランスの下はいつも、待ち合わせをするメルボルンっ子たちでにぎわっています。

このほかにも、19~20世紀建築の貴重な建物がそこかしこに立っています。なかでも美しさに目を奪われたのが、「ビクトリア州立図書館」でした。八角形のリーディングルームに並ぶのは、放射線状に並ぶベンチデスク。館内には、1856年建築のオーストラリア最古の図書館らしい、アカデミックで凜とした空気が漂っていました。

さまざまな表情を見せるメルボルンは、ときには裏道にそれてみても、楽しいもの。19世紀に造られた表通りは荷馬車が通りやすいように碁盤の目状になっていますが、その裏には「レーンウェイ」と呼ばれる迷路のような小径が延びています。ここでも個性的なブティックや隠れ家のようなカフェを発見することがあるから、街歩きの楽しみは尽きません。

歩き疲れたら、カフェに立ち寄ってひとやすみ。メルボルンは、フランスのパリ以上にカフェが多いといわれています。小さなカップで提供されるエスプレッソの「ショートブラック」、ショートブラックをお湯で割った「ロングブラック」、ショートブラックにスチームミルクをたっぷり入れた「フラットホワイト」、ショートブラックにスチームミルクとミルクの泡を注ぎグラスでサーブする「ラテ」、そしてホットチョコレート……。アレンジもたくさんあって、滞在中は毎日、バリスタ自慢のコーヒーを味わうのが楽しみでした。

都会から足を延ばして大自然の中へ

郊外まで足を延ばせば、都会の風景は一転、雄大な自然が広がっています。モーニントン半島は、1870年代から保養地として発展してきたエリア。なだらかな丘陵地帯には果樹園やオリーブ畑やブドウ園が点在しています。

目に焼きついているのは、半島の突端ソレントで見た透明度の高い海とサラサラの砂浜。ここはメルボルンに先立ち、1802年にビクトリア州で最初のヨーロッパ人入植地ができた場所でもあります。当時の面影を残す海辺には、ゆったりと時間が流れる穏やかな風景が広がっていました。

モーニントン半島と同様に、メルボルンからのショートトリップ先として人気を集めているのが、街の東にあるヤラバレー。市の中心部から車で1時間も走ると、やがて一面のブドウ畑と、その向こうに幾重にも連なるダンテノン丘陵が見えてきます。まるで絵ハガキのような風景の中に点在しているのは、80軒以上のワイナリー。ここでは、冷涼な気候と上質な土壌を生かして、1838年からワインづくりが連綿と続いています。

ひとくちにワイナリーといっても、「ブティックワイナリー」と呼ばれる家族経営の小さなところから、海外に輸出している有名なところまで、その規模やスタイルはさまざま。どんなに小さなワイナリーでも、作り手が情熱を持って育てるワインは極上の味。それらを巡ってテイスティングを楽しむのが、ヤラバレーの醍醐味です。

もうひとつ、ヤラバレーのワイナリーを訪ねる楽しみが、併設されたレストランで味わうランチ。自家菜園で育てた野菜やフルーツ、地元生産者が手がける食材が繊細な料理に仕立てられています。ガーデンカフェで華やかなシャルドネや軽やかなピノノワールとともに味わえば、目と舌とお腹が満たされるはず。

自然と絶景を楽しんだ後は、ふたたび街の中心地に戻って、シティのレストランでディナーを楽しんだり、バーでくつろいだり。滞在すればするほど、この街を好きになっていくことを実感します。「世界で最も住みやすい都市」は、旅人の心も開放してくれる場所なのかもしれません。

旅行ライター/芹澤和美(せりざわ・かずみ)_編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
旅行ライター/芹澤和美(せりざわ・かずみ)_編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
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