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ストレスレスな映画ー番外編        「HERE IS HAROLD-ハロルドが笑うその日まで」

ストレスレスな映画ー番外編        「HERE IS HAROLD-ハロルドが笑うその日まで」

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今コラムでは“北欧から届いた”映画3選を紹介していますが、ブログでは追加して1本ノルウェー映画をご紹介。
日本では2016年の春に公開されたこの映画は、普通にハートウォーミングな映画としても楽しめつつ、“家具”が一つの視点にもなっていてぜひオススメです。
IKEA VS ノルウェーの家具店を巡る騒動が、北欧の家具に対しての想いもさりげなく投影されています。

今年1月末に91歳で亡くなったIKEAの創業者 イングヴァル・カンプラート氏にも想いを馳せながら・・・・ぜひ見ていただきたい1本です。


Ingvar Kamprad ※IKEA公式 Instagramより
Ingvar Kamprad ※IKEA公式 Instagramより

下記以前のFacebookでの投稿を流用―――


【ノルウェー映画ご紹介】
HERE IS HARORD ハロルドが笑うその日まで
2014年 ノルウェー映画
配給=ミッドシップ 監督=グンナル・ヴィケネ
出演=ビョルン・スンクヴィスト、ビヨーン・グラナート、ファンニ・ケッテル


―――
4月16日(土)に公開になったノルウェー映画「HERE IS HARORD」に早速行ってきました。

ノルウェーで40年以上家具店を営んできた主人公ハロルドの店が、隣に北欧最大規模のIKEAが出店したことで閉店に追い込まれ、今までの生活のすべてを失う。逆上したハロルドはIKEAの創業者イングヴァル・カンプラードを誘拐して復讐に・・・というストーリー。

全体として上記のストーリー以上にさして起伏があるわけではないのだが、出てくるハロルド他登場人物がそれぞれに情けなくて、でもチャーミング。
シニカルで悲しい話でもありながらユーモアがあって、降り積もる雪の中の世界はストーリーすべてファンタジーのようで。
劇場内が何度となくクスクスしているほのぼの感。
ノルウェー ベルゲンからオスロを経由してスウェーデンに向かいながら展開する景色はちょっとしたロードムービー風で、ノルウェーの自然や街の空気感を満喫できる。

そして、なによりIKEAの創業者カンプラードとハロルドの全く違う価値観を持つはずの二人の対立と歩み寄りと友情めいたものがなんともいい。
400年変わらぬ椅子をひとつひとつ愛着を持って大切に磨き上げるハロルド。
ハロルド曰く“すぐ壊れるクズ”・・・でも誰にでも手に届く家具に絶妙なプレゼンテーションと経営手法で成功したカンプラード。
「壊れる頃にはもっといいものがまた作られている」「椅子そのもののよさより大切なのは座る人間自身の方だ」というカンブラートの語録もあり。

質素倹約やシンプルなライフスタイルを謳う会社のイメージ戦略、マスコミ対策の裏で舌を出していたり、かと思えば古びたハロルドのSAABのトランクで縮こまっていたり・・・本物にそっくりなカンプラードの方がウワテで可愛らしく思えてしまったのが、これもIKEAの戦略かとやられた気分。

スウェーデンへのノルウェー人の反撥、そして和解が垣間見えながら、一番脳裏に焼き付いたのは、夜の灯りに浮かび上がるハロルドの家具店とIKEAが並んだシーンだった。
相反するようでいて、そのシーンはカメラフレームの中に共存し、とても美しい。
聞いたところノルウェー人はIKEAが大好きらしい。(ノルウェーには現在5店舗。映画に登場するベルゲン オサネにも実際に店舗がある。)
しかし古くからの家具も、祖父母や親から受け継ぐ資産としてそのキズやアンティークな風合いを楽しみながら長くずっと大切にすると言う。
実際ノルウェーでいくつか自宅を拝見させてもらった時、こういった組合せの妙とコーディネートの美しさに目を見張ったものだ。

家にはその人自身の心の豊かさが映るものだと思う。
幸せで豊かと言われる北欧の人々の原点を、揃えた家具や家そのものに見ながら鑑賞するのも面白いかもしれない。


Marketing/Setou

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